祈ららの会報ドラゴンアイズVol.62(2004年11月号)に補筆修正しました。
ユングが気づいた、外向・内向とは別の4つの傾向は、思考、感情、感覚、直観というものです。
思考と感情は、ものごとを判断する機能で合理機能と呼ばれ、相反しています。
思考、または感情が最も強いという人が圧倒的に多く、それぞれ思考タイプ、感情タイプと呼びます。
思考タイプは男性に多く、感情タイプは女性に多くなります。
※ 外向・内向については、外向・内向についてをごらんください。
思考は、物事を頭で考えて処理します。
理屈の説明がついて意味あることが善で、理屈がうまく通らず意味のないことは悪です。
「それは意味がない」と思考タイプはよく言います。
思考は、物事や考えを、言葉などで整理して意識化することに役立ちます。
感情は、感情の快適さを物事の基準としています。
快適なことは善であり、不快なことは悪です。
「素敵」と感情タイプはよく言います。
感情は、人に何かを伝えたり受け取ったり、コミュニケーションに役立ちます。
思考と感情は、方法は全く反対ですが、善悪を判断する機能です。
感覚と直観は、判断せずただ受け入れる機能で非合理機能と呼ばれ、相反しています。
感覚タイプは、ただ現実をあるがままに感じています。
自分が何を感じているのかを、感じます。
「だってこうだから」「これが現実だから」と感覚タイプはよく言います。
感覚は、内省やハイアーセルフの意志を知るのに役立ちます。
感覚が感じるのには、少し時間がかかるのが普通です。
直観タイプは、可能性に着目します。
物事がどのようになってきたのか、これからどうなるのかの関連に関心があります。
直観タイプは何の理由もなく「これはうまくいきそう」とよく言います。
直観は、自分のとるべき行動を決定するのに役立ちます。
直観は、瞬時に感じ取るのが普通です。
感覚と直観は判断しないのと、感じたことや直観したことに理由が存在しないので、人間臭さがなく、思考タイプと感情タイプから見ると、非情だとか冷たいとか、わかりにくいという印象を持たれると思います。
それぞれのタイプには外向型と内向型があります。
これを組み合わせて、内向的思考タイプとか、外向的直観タイプという風に、合計8つのタイプに分かれます。
外向的思考タイプは、理論よりも経験や実際の物事や技術に価値を感じ、建設的に思考します。
社会的に成功している男性に多いタイプ。
医師、政治家など。
内向的思考タイプは、理論に価値を感じます。
一般サラリーマンに多いタイプ。
コンピューター関係など。
外向的感情タイプは、社交上手で、社会的評価の高さ、多くの人に受け入れられることに価値を感じます。
成功している男性の妻に多いタイプ。
接客業など。
内向的感情タイプは、個人的評価の高さ、個人の気持ちの満足感が重要です。
一般的な女性全般に多いタイプ。
福祉関係者、教師など。
外向的感覚タイプは、世の中や現実世界で何が起きているかに関心があります。
マスコミ関係など。
内向的感覚タイプは、自分の心の中で何が起きているかに関心があります。
芸術家など。
外向的直観タイプは、現実世界がこれから動いていく可能性に関心があります。
事業家、投資家など。
内向的直観タイプは、自分の心の中でこれから動いていく可能性に関心があります。
霊能者など。
8つのタイプには、第2機能があります。
外向的思考タイプの人の第2機能は、外向的感覚か直観です。
第3機能は、内向的感覚か直観、第4機能は内向的感情です。
内向的思考タイプの人の第2機能は、内向的感覚か直観です。
第3機能は、外向的感覚か直観、第4機能は外向的感情です。
外向的感情タイプの人の第2機能は、外向的感覚か直観です。
第3機能は、内向的感覚か直観、第4機能は内向的感情です。
内向的感情タイプの人の第2機能は、内向的感覚か直観です。
第3機能は、外向的感覚か直観、第4機能は外向的思考です。
外向的感覚タイプの人の第2機能は、外向的思考か感情です。
第3機能は内向的思考か感情、第4機能は内向的直観です。
内向的感覚タイプの人の第2機能は、内向的思考か感情です。
第3機能は外向的思考か感情、第4機能は外向的直観です。
外向的直観タイプの人の第2機能は、外向的思考か感情です。
第3機能は内向的思考か感情、第4機能は内向的感覚です。
内向的直観タイプの人の第2機能は、内向的思考か感情です。
第3機能は外向的思考か感情、第4機能は外向的感覚です。
私は内向的感覚タイプで、第2機能は感情です。
第2機能は、第一機能と同じ方向を向きますから、私の感情は内向的です。
第3機能は第2機能の反対なので思考です。
第3機能以下は、第一・第2機能とは逆を向くので、この思考は外向的です。
最後の第4機能は、第一機能とは反対の機能で逆を向いている、外向的直観になります。
私は内向的感覚タイプですが、同じ内向の直観とは親和力があります。
外向的思考と感情、内向的思考と感情、外向的感覚と直観、内向的感覚と直観は、お互いに理解しやすく、一緒に発達していくことができるように思います。
しかし、同じ感覚でも外向と内向の違いは大きく、距離感があって共感は難しくなります。
第2機能と第3機能は、場合によって逆転することがあるように思います。その時には外向と内向も逆転することになります。
ですから、第2機能と第3機能は、それぞれ外向内向どちらも発達させやすいと考えられるかもしれません。
自分はこれだ、あの人はあれだとわかるだけではなくて、人間の人生目的は、そのバランスをとるということにあります。
生まれ持った傾向は個性ですから大きくは変えられませんが、自分が苦手とする傾向でも、意識してもっと発達させることができます。
浄化や人格の成長のために起こってくる物事を観察していると、今、自分の中のどの部分を発達させようとしているのかがわかります。
それがわかれば、自分の成長を、ただ引きずられるだけでなく意識して合わせていくことができます。
写真は、公園の竹林です。